「短パン社長」こと奥ノ谷圭祐氏をご存知でしたか?
テレビ等のメディアにも出演している方のようですが、失礼ながら私は存じ上げませんでした。
でななぜ奥ノ谷圭祐氏の著書である『「いいね」を購入につなげる 短パン社長の稼ぎ方』を購入したのかというと、ブログ飯の著者である染谷昌利氏が情報発信していたからでした。
「染谷さんがおすすめする本だからいい本に違いない」との思いで、Yahoo!ショッピングの書籍販売ページに遷移してみると次の2点に惹かれてしまいました。
- 本のタイトルに興味を掻き立てられたこと
- 表紙の奥ノ谷圭祐氏の顔写真が、私の知り合いに似ていたこと
この2点が理由で即購入。
手元に届いてから『「いいね」を購入につなげる 短パン社長の稼ぎ方』をさっそく読みはじめることに。
SNSを利用した物販の仕組みを構築した奥ノ谷圭祐氏の思考や苦難も含めた道のりを、垣間見させていただきました。
私もアフィリエイトをビジネスにしている端くれとして、人にモノをすすめることも多々あるわけですが、ドキッとした文章がありましたのでご紹介します。
最初に「売りたいな」「儲けたいな」が根底にあって、その表面を「お役に立ちたい」で覆っているのとでは、大きな差がある。「お客様のため」と言いながら、自分たちの利益しか考えていないのって、不思議とわかるもんなんです。出典:『「いいね」を購入につなげる 短パン社長の稼ぎ方』奥ノ谷圭祐著 KADOKAWA 44ページ
短パン社長(奥ノ谷圭祐氏)は、売る前にお客さんとの関係を築くことの重要性を説いています。
それも「友達のような関係」を。
そのような関係ができている人に対して、「楽しみ・喜び」を提供したり「役に立ちたい」と思うからこそ、自身の納得できる商品を販売することができているというのです。
スマホやPCの画面を通じた間接的なつながりの人もいるでしょうが、実際に人と接する商売をしているからこそ、重要性を肌で感じていらっしゃるのかもしれません。
ということで、この記事では短パン社長・奥ノ谷圭祐氏の著書『「いいね」を購入につなげる 短パン社長の稼ぎ方』を読んだ感想・書評をご紹介します。
短パン社長いわく「お客さんは神様じゃない」の真意を推察
私は『「いいね」を購入につなげる 短パン社長の稼ぎ方』と前後してジョセフ・シュガーマン氏の著書『シュガーマンのマーケティング30の法則』という本を読みました。
この2冊には対照的なフレーズが出てきます。
まずは、短パン社長(奥ノ谷圭祐氏)。
お客さんは神様ではないのだから、言いなりになるわけにはいきません。
商売をやっていると、さまざまな感性の人が、さまざまな考え方からいろんなことを言ってくるもの。
(途中省略)
そういうのをすべて聞いていたら、どんどん個性が薄められ、つまらないものになってしまう。出典:『「いいね」を購入につなげる 短パン社長の稼ぎ方』奥ノ谷圭祐著 KADOKAWA 63ページ
次に、ジョセフ・シュガーマン氏。
お客様は神様だ。目指すべきは、市場に受け入れられるかだけじゃない。目の前のお客の要望に適切に答えられるかどうかなのだ。出典:『シュガーマンのマーケティング30の法則』ジョセフ・シュガーマン著 佐藤昌弘監訳 石原薫訳 フォレスト出版 254ページ
非常に面白いと感じました。
もちろんここで引用させていただいたのは話の一部分でしかないので、これを持って論じることには無理があります。
ただ、ケイスケオクノヤというブランドで服を販売している短パン社長と、テレビショッピングなどで莫大な売り上げを誇るダイレクト・マーケッターのシュガーマン氏とでは、「お客」に対するスタンスが異なっていることに面白さを感じたのです。
短パン社長・奥ノ谷圭祐氏は、お客さんとの関係性を構築したうえで商売を行なっています。
友達ですから、互いの言いたいことを言い合える関係性ですね。
それでいて材質・縫製ともに納得のできるものを提供し、商品に対する責任を自覚しているわけです。
一方のシュガーマン氏の場合は、セールスに携わる人は自分の売りたい気持ちよりもお客のニーズに応える努力が必要だと言っているのです。
両者ともにお客は大切にしているんですよ。
ただ、短パン社長の場合は、全ての人(お客や洋服屋さん)に好かれる必要はなく、奥ノ谷圭祐を好きだと言ってくれる人を大切にしようと思っている。
販売対象が漠然としているのではなく、相手が見えているかそれに近い状態で商売をしているのだと思います。
この辺りについては、自分をブランディングして、ファンを作り、そのファンのコミュニティーに対して自分のよいと思ったものを勧めていける構造を構築した強みだと思います。
でも、どのようにファンを作っていったのでしょうか?
次に、短パン社長のコミュニティー構築術について考えてみようと思います。
短パン社長のSNSでモノを売るという発想
マーケティングの理論的なことはあまり勉強してこなかったという短パン社長。
現在はSNSのフォロアー数は約3万人ほどいて、投稿に対して「いいね」が200~300は付くといいます。
ですが、9年前は「いいね」が10個に満たなかったというのです。
私も『「いいね」を購入につなげる 短パン社長の稼ぎ方』をキッカケに、短パン社長のTwitter(ツイッター)をフォローしはじめました。
そんな状況でも、SNSの発信を続けてきた短パン社長(奥ノ谷圭祐氏)。
不安をあおるような販売方法ではなく、商品やサービスをいいなと感じてもらったうえで購入してもらうことを考えているのです。
それが、次の文章に表れています。
共感してもらうだけではダメで、その先に行かないといけない。
(途中省略)
そうではなく、「この人から買いたい」と自然に思ってもらうことで購入してもらうこと。それがSNSによってできるようになっているんです。出典:『「いいね」を購入につなげる 短パン社長の稼ぎ方』奥ノ谷圭祐著 KADOKAWA 12~13ページ
SNSをはじめる前から「短パン通信」という手書きの手紙を書いていたという奥ノ谷圭祐氏は、Twitter(ツイッター)やFacebook(フェイスブック)のフォロアーが少なかったときに、あることに気付いたそうです。
それは、SNSも手紙感覚でやろうというものでした。
さらにブログは9年間、欠かさず書き続けたという鋼鉄のような決意と実行力の持ち主でもあります。
簡単なようで、決めたことを実行し続けるのは大変なことです。
何かに取り組んだときにすぐに成果が出ないと、「やっぱり向いていないんじゃないかな…」とか「別のことをした方がいいかもしれない…」と考えてしまいやすいですよね。
もちろん、適切な判断に基づいて取り組み方を変えることは悪いことではありません。
改善しながら続ければいいのです。
私自身を戒める意味で書いていますが、あまりにも無謀な目標を立ててしまったり、結果が出る前にあきらめて取り組みをやめてしまうことの多かったことといったら目も当てられません。
短パン社長は、なぜSNSでモノを売ることができるのか?
その大きな要因のひとつは、短パン社長(奥ノ谷圭祐氏)が、「SNSを、お客さんとの関係構築手段という明確な目的意識を持って活用している」ことにあると思います。
売りたいのは「お客さんの欲しいモノ?」それとも「自分の売りたいもの?」
短パン社長(奥ノ谷圭祐氏)は言います。
いいものをつくれば売れると思っている人が多いけれど、そうではなく、人は人でモノを買うんです。モノはどれも似たり寄ったり。だから人が浮かび上がってくるんです。出典:『「いいね」を購入につなげる 短パン社長の稼ぎ方』奥ノ谷圭祐著 KADOKAWA 12~13ページ
短パン社長は「シャツ1枚で人の人生が変わる」という熱い想いを持っていて、それをすばらしいと実感している人です。
お客さんとの関係性をしっかり築けているから、何でもかんでも「お似合いです」とは言わないし、似合わない服をすすめたりもしない。
短パン社長には、次の2つの軸がしっかりしているからお客さんが寄ってくる。
- 自分の商品やサービス等を愛している
- お客さんのことをきちんと考えている
それが、「短パン社長の商品を買いたい!」につながっているのだと思います。
これって、「自分の売りたいモノ」でもあり、「お客さんの欲しいモノ」でもあるということですよね。
まとめ
- SNSはお客さんとの関係構築手段
- SNSの共感のその先へ進むことが重要
本当に自分の仕事や商品に愛情を感じている人の行動力には、もの凄いチカラがともなっています。
私は書籍を通じて、一方的にしか短パン社長(奥ノ谷圭祐氏)を知りません。
ですが、ここでは紹介できなかった苦いエピソードも惜しげもなく披露できる境地の人だということに感動しました。
それに興味ありませんか?
短パン社長の着ている服は、全部自社製品なのかどうか?
『「いいね」を購入につなげる 短パン社長の稼ぎ方』を読むと、ある意味同業他社の人に対する短パン社長の懐の深さも感じられますよ!
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「いいね」を購入につなげる 短パン社長の稼ぎ方 [ 奥ノ谷 圭祐 ] 価格:1,540円 |