田坂広志氏はその著書 能力を磨く AI時代に活躍する人材「3つの能力」の冒頭で、AIにまつわる未来予測を行なっています。
まもなく「AI革命」の嵐が到来する。
そして、その結果、現在の予想をはるかに超える失業が発生する。
従って、我々は、その前に、AIに淘汰されない
高度な能力を身につけなければならない。
出典:『能力を磨く AI時代に活躍する人材「3つの能力」』田坂広志著
日本実業出版社 24ページ
副業・本業を問わずアフィリエイトで収入を得る私たちは、この未来予想をどのように受け止めるべきなのでしょうか?
能力を磨く AI時代に活躍する人材「3つの能力」は、企業にお勤めされている方だけでなく、サムライ(士)業に携わっている方たちにも言及しています。
だとすれば、(法人化していないとしても)アフィリエイトで稼ごうとしている私たちにも無関係とはいえないはず。
この記事では、AIがアフィリエイトに及ぼすであろう影響と対策について考えてみようと思います。
ちなみに能力を磨く AI時代に活躍する人材「3つの能力」では、これからのAI時代に活躍する人材となるために、次の能力を高度なレベルに高めるようにアドバイスしています。
磨くべき「職業的能力」 「智恵の体得力」と「智恵の伝承力」
磨くべき「職業的能力」 「非言語的コミュニケーション力」と「体験的共感力」
磨くべき「職業的能力」 「心のマネジメント力」と「成長のリーダーシップ」
出典:『能力を磨く AI時代に活躍する人材「3つの能力」』田坂広志著
日本実業出版社 237ページ
どのようにして上記能力を伸ばすべきかも記載されているので、関心をお持ちの方は能力を磨く AI時代に活躍する人材「3つの能力」をお読みになることをおすすめします。
この記事を書くために参考にさせていただいた田坂広志氏の著書『能力を磨く AI時代に活躍する人材「3つの能力」』は、株式会社 日本実業出版社のご厚意によりご献本いただいたものです。
すばらしい本との出会いと機会をいただきましたことを、心から感謝申し上げます。
AIの得意分野と苦手分野について
田坂広志氏の著書 能力を磨く AI時代に活躍する人材「3つの能力」には、AIの得意分野と苦手分野が記されています。
それぞれをギュッとまとめてみますね。
AIの得意分野
基礎的能力 | 知的集中力と知的持続力。 AIは人間には及ばないほどの圧倒的な集中力と持続力を持っている。 |
---|---|
学歴的能力 | 論理的思考力と知識の修得力。 論理的な思考はAIの得意分野であり、しかも超高速。 知識の記憶力、検索力、分析力も優れている。 |
これらの能力は、日本の教育で重要視されているものですよね。
しかしAIがより身近になれば、その価値が薄らいでしまいます。
AIの苦手分野
職業的能力 | 直感的判断力と智恵の体得力。 職人の勘的な領域にもAIは迫ってきているが、体験から得る智恵についてはAIは真似できない。 技術と心得を組み合わせて対抗できる。 |
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対人的能力 | コミュニケーション力とホスピタリティ力。 言語的コミュニケーションはAIもできるようになってきているが、人の気持ちを察することや共感はAIには真似できない。 |
組織的能力 | マネジメント力とリーダーシップ力。 予算管理、工程管理、資材管理などはAIにも代替され得るが、組織を構成する人の心のマネジメントは人間にしかできない。 カウンセリングやコーチングといった能力を持ったリーダーは、貴重な存在となる。 |
個人事業主として、一人で仕事をされている方も多いことでしょう。
そのため、「一人で仕事をしているから今さら能力に磨きをかける必要はない」と感じられるかもしれませんね。
ですが、本当にそれで大丈夫なのでしょうか?
現在AIは、アフィリエイトにどんな影響をもたらしているのか?

AIによるイノベーション(技術革新)は、アフィリエイトで収入を得る私たちにとって無視できない存在です。
というよりは、Googleなどの検索エンジンにはAIが導入されているので、わたしたちアフィリエイターは良くも悪くもすでに影響を受けているわけです。
Googleがランクブレイン(Rankbrain)という名前のAIを導入し始めたのは、2015年の後半からのことです。
それまでは人手(Googleの社員)による大規模な検索アルゴリズム変更が度々ありました。
AI導入後にも大型アップデートはありました。
(ペンギンアップデートやパンダアップデートなど。)
現在では大規模なアルゴリズム変更というよりは、AI(ランクブレイン)が検索クエリ単位でアップデートを日々行なっているイメージです。
ある意味でGoogleは、AI(ランクブレイン)を導入することで、ユーザーとっての最適解を提供できるような仕組み作りを達成した言えるでしょう。
Googleに協力するという発想
GoogleのAI導入の過程を振り返ったことで、あらためて気付かされたことがあります。
それは、私がアフィリエイトを始めた時点で、すでにAIの介在しているネット環境だったということです。
AIは「これからやってくる驚異的存在」ではなく、今現在、受け入れなければならない存在です。
私たちアフィリエイターは、今後のAIの変化(成長)に対応していくことが求められます。
極端な表現をするならば、どんどん知識(情報)を蓄積し、論理的分析を行ない続けるAIを、味方として受け入れるか、驚異(敵)ととらえるかの2択になるのではないでしょうか?
それならば、Googleに対して協力的な施策を考える方が、生き残る可能性が高いのではないでしょうか?
Googleが苦手なことを手伝う!
Googleは、利用者にとって一番最適な情報を提供しようとしています。
「ラーメン ○○(地名)」といった検索を行なうとGoogleマップが表示され、検索した地域のラーメン店が表示されます。
それだでなく、口コミや訪問者の多い時間帯のグラフといった情報も参照することができます。
検索順位の上位にGoogle自身が情報を提供するため、他の類似サイトを表示する必要性が低くなっています。
別の事例をもうひとつ紹介します。
「能力を磨く」で検索を行なってみたところ、サイド(右カラム)に書籍購入ページに遷移できる案内や関連本の情報が表示されました。
単純にその書籍を購入したい検索者にとっては非常に便利です。
もちろん同じキーワードでも検索意図は様々ですから一概には言えませんが、オーガニック検索(自然検索:広告枠ではない表示結果)をメインとしているアフィリエイトサイトの存在が霞んでしまいそうです。
そこで、Googleが簡単に答えられない情報を提供してみてはどうでしょうか?
これが「Googleが苦手なことを手伝う」ということです。
ここに「AIの苦手分野」でお伝えした要素を活かすのです。
例えば、人の気持ちを察することや共感する能力を発揮して、困っている人に寄り添った切り口の情報を提供するというのはどうでしょう。
検索者の悩みに共感した言葉や、同じ経験をしているからこそ気付ける寄り添った視点での商品紹介は、アフィリエイト報酬順に並べたランキングとは違った価値を持つはずです。
私も自分に言い聞かせています。
今後AIは、アフィリエイトにどのような影響を与えるのか?

スマートスピーカー(AIスピーカー)の存在は、アフィリエイターに限らず、モノを売る仕事をしている人にとっては脅威となっていく可能性が高いはず。
スマートスピーカー(AIスピーカー)が学習を積むことで、状況に応じて先回りして商品セールスを行なったら、サイトを見ることもなく売買は成立してしまいます。
人と対面した状態であれば、AIといえどもおもてなしの心を持った接客者には及ばないかもしれません。
ですが、人と接する前の段階だとしたら話は違ってきますよね。
現在は、サイトやブログを通じた文章による情報提供やYouTubeなどの動画投稿サービスを利用したアフィリエイトが主流だと思います。
しかし、一方通行のアフィリエイト・スタイルは変化を迫られるかもしれません。
AIの発達とともに、逆に人との接点を求めていかないと販売の機会すら得られなくなっていくこともあり得ます。
「それじゃぁ、アフィリエイトじゃないよ!」
そうですよね。
ですが正直なところ、どうすればいいのかわかりません。
そこで、思いついたことを書いて終わりたいと思います。
ちなみに、アフィリエイトにこだわらずに列挙しますよ。
- サイトやブログ、運営者のファンを獲得する。
- 商品レビューや取材などの一次情報の発信に注力する。
- オンライン・オフラインを問わず、ファンとの接点を持つ。
- 一般大衆相手ではなく限られた層に、より高額なサービス・商品を利用してもらう。
- お金を使ってAIのプラットフォームに広告を出す。
- ①に関連して、リピーター獲得のために信頼構築とサービスを追求する。
- あえてアナログなアプローチを考えることで、AIの土俵で戦わない。
列挙していくうちに、AIとの共存とはズレてしまいました。
AIによる大規模なイノベーションにも屈しない対策を講じたいものです。
能力を磨く AI時代に活躍する人材「3つの能力」という書籍を読むことで、自分の取り組んでいるアフィリエイトの将来像について考える機会が持てたことは貴重な経験でした。
まとめ
- AIは人の利便性を向上させるが、仕事を奪われる可能性がある。
- AIと共存する道を探ることも重要。
- 少なくとも現状に危機感を持ち、対応策を考える必要がある。
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