ブログガー向けの本(ブログで収入を得るための本)のなかには、オンラインかどうかを問わず仲間を見つけるように勧めているものがあります。
そのアドバイスを実践するなら、ブロガーにも人間関係構築能力が求められることになるということに。
そこで、安達裕哉氏の著書『仕事で必要な「本当のコミュニケーション能力」はどう身につければいいのか?』で、コミュニケーション能力について学ばせていただきました。
「人とのコミュニケーションには苦手意識を持っている私にも、良好な人間関係を築くことはできるの?」という不安を解消する糸口を見つけることができましたので、そのエッセンスをご紹介します。
私が手にしている安達裕哉氏の著書『仕事で必要な「本当のコミュニケーション能力」はどう身につければいいのか?』は、日本実業出版社のご厚意でPDFにてご献本いただいたものです。
すばらしい本と出会う機会をいただきましたことを、心から感謝申し上げます。
コミュニケーション能力って何?

「コミュニケーション能力」のある人とそうでない人では、一体何が違うのでしょうか?
通常コミュニケーションは、複数の人間との間における意思伝達の上に築かれるものです。
そのため、次のようなケースではコミュニケーションは成立したとはいえません。
「私は○○と言いました。」
「いや、僕は○○について聞いていません。」
このようなケースは、コミュニケーション能力というよりも意思伝達能力と表現するべきでしょう。
そこで「コミュニケーション能力」の定義から確認してみましょう。
コミュケーション能力とは、少なくとも次のような要素を含んでいるはずです。
- どれくらい深く人間関係を築くかを見極める力。
- 相手を尊重できる気持ち。
- 互いの思いや考えを伝えあえる関係の構築。
『仕事で必要な「本当のコミュニケーション能力」はどう身につければいいのか?』で安達裕哉氏は、企業の人事担当者とのやり取りから「コミュニケーション能力が高そうな人には2種類いる」と指摘しています。
- 人当たりがいいだけの人。
- 本当にコミュニケーション能力が高い人。
安達裕哉氏は、コミュニケーション能力を次のように定義しています。
真のコミュニケーション能力とは、すなわち相手の要求を「気を利かせて」読み取る能力なのだ。
出典:『仕事で必要な「本当のコミュニケーション能力」はどう身につければいいのか?』
27ページ 安達裕哉著
んっ?
わかったようで納得できないかもしれませんね。
もう少し、具体的な例で説明しましょう。
例えば、人に何かをお願いされたとしましょう。
そうですねぇ、「リラックスできる音楽を教えて?」みたいな漠然としたお願いだったとしますね。
まずは、人当たりがいいだけの人の場合を想像してみましょう。
おそらく、次のような反応を示す可能性があります。
- 音楽に詳しい場合 ⇒ 「CDショップでリラクゼーションの音楽を扱っているので、それなんかどうですか?」
- 音楽に疎い場合 ⇒ 「私、音楽に詳しくないんで…どうしたらいいですかね?」
では、本当にコミュニケーション能力が高い人ならどうするのでしょうか?
漠然とした質問をもう少し掘り下げて、相手の真意を知ろうとするはずです。
- 「リラックスしたいのはどのような場合を想定していますか?」
- 「お好きな音楽ジャンル、あるいは苦手なジャンルはありますか?」
このような質問で、依頼者のニーズに少しでもマッチした対応をしようとするでしょう。
その結果、依頼者が次のように回答しました。
「実はさ、最近寝つきが悪いんだよね。
だから、クラシック系がいいかなって思うんだよ。」
これで依頼者の具体的な悩みを理解できた本当にコミュニケーション能力が高い人は、つぎのような結論を出すことでしょう。
- 音楽に詳しい場合 ⇒ 「モーツァルトの音楽がいいと思いますよ。」
- 音楽に疎い場合 ⇒ 「眠りやすい音楽を調べてみますね!」
安達裕哉氏が伝えたかった『相手の要求を「気を利かせて」読み取る能力』とは、このようなことだと思います。
コミュニケーション能力はどうしたら身に着けられるのか?3つのポイント

それでは、コミュニケーション能力をより高めるためには、どうしたらいいのでしょうか?
意識するだけで違ってくるであろう、コミュニケーション能力を高めるエッセンスを3つご紹介します。
①それくらい察してよ!は通用しない
気心の知れた人同士の場合は別ですが、人にものを頼むとき「それくらい察してよ!」といった甘えがあると予想に反した結果が返ってくることがあります。
次のような場合は、特に注意が必要です。
- 頼むことに対する習熟度の浅い人。
- 能力はあるけれど、自分の依頼の仕方に慣れていない人。
- 常識に対する認識の違い(世代間ギャップなど)。
自分の頭の中にあるイメージを、言葉で相手と共有しようとしても思ったようには伝わりません。
必要に応じて、具体的に依頼する必要があるのです。
- イメージ図などを用いて、視覚的に伝える。
- 網羅してほしい内容を、表などを用いて伝える。
逆に、依頼された側の対応としては、疑問を残さないことが重要になります。
- わからないことは早めに質問する。
- 早い段階でイメージを提示して、指示を受ける。
こういったことの積み重ねで、コミュニケーション能力は高まっていくことでしょう。
ダイバーシティ化している現代では、「それくらい察してよ!」は通じない場合が増えているのです。
②なんでも教えようとしない(知識をひけらかさない)
悩みを聞いてほしいとか質問する側が謙虚な気持ちの場合、ストレートに知っている知識を伝えることは問題ないでしょう。
しかし、アドバイスを求める人の中には、必ずしも答えを知りたいわけではない人もいるのです。
相談事を持ち掛けられた場合、その人が「答えを求めているのか?」それとも「悩みを聞いてほしいだけなのか」を見分ける必要があります。
そのためには、すぐに自分の持っている経験や知識から相手の改善点を指摘するのではなく、耳を傾けることが重要になります。
ここで大切なのが、相手を尊重する気持ちなのです。
③相談相手がいない?それって本当なの
上述した「互いの思いや考えを伝えあえる関係の構築」に関連して、「悩みを相談できる人がいなくて困る」ということもありますよね。
私がサラリーマン時代に、ものすごく仕事のできる先輩(途中から上司になりました)がいました。
仕事にムラがなく、相手を納得させる成果物を納品している姿を見ていた私は、尊敬の念とともに次のようなことを考えていました。
- こんなこと質問したら、先輩の仕事の邪魔をしていることになるかもしれない…
- もう少し、自分の力で頑張ってみよう。
- 「今頃、そんなことを質問してくるの?」って思われたら嫌だな。
結局は、自分自身が勝手に壁を作って、先輩に質問できない状態に陥っていました。
もちろん自分で努力する必要はありますが、悩んでいるときに素直になれないのは自分の弱さだったと思います。
「馬鹿にされなくない」
みたいな見栄があったんだろうな。
今なら、余計な遠回りをしていたと思うよ。
もしかすると「相談相手がいない!」のは、自分のなかにも原因があるかもしれないということです。
相手にもよりますが、もう少し自分の弱みを見せてもいいのではないかと思います。
相談するときには、次のことを心掛けるといいですよ。
- 同じことを繰り返し質問しないようにメモを取る。
- 何を質問していいかわからないときを除いて、具体的に質問する。
- 教えてもらったことの理解度を高めるためにも、確認(復唱)する。
- 何を質問していいかわからないときでも、できるだけ悩みを紙に書き出すなどして整理してみる。
『仕事で必要な「本当のコミュニケーション能力」はどう身につければいいのか?』を読み終えた感想

自分が若かったころに『仕事で必要な「本当のコミュニケーション能力」はどう身につければいいのか?』を読めていたら、どれだけコミュニケーション能力の習熟度が違ったことだろうと想像してしまいます。
ビジネスの場面を想定して書かれた書籍ですが、それ以外の場でも十分に応用できる内容です。
年齢を重ねたことで、だいぶ凝り固まってしまっている自分の性格や思考方法ですが、もう一度コミュニケーション能力を磨いてみたいと思えたのは幸いでした。
もしかすると、年齢を重ねたから共感・理解できる部分もあったのかもしれません。
ブロガーは個人の作業だと思って気楽に過ごせる一面もありますが、世間に認知されるようなブログを運営している方々は、人との交わりも大切に考えているのが現実です。
『仕事で必要な「本当のコミュニケーション能力」はどう身につければいいのか?』との出会いを機に、次のステップを目指してみようと思いました。
まとめ
- 人当たりがいいだけの人と真にコミュニケーション能力の高い人は同じではない。
- 人とのコミュニケーションで、相手を尊重する姿勢は重要。
- コミュニケーションが苦手な場合、自分の中に壁を作っていることもあるかもしれない…
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