「DX」という言葉をご存じですか?
恥ずかしながら意味を知らずにいた私。その知識を求めて、守屋実氏が監修した「DXスタートアップ革命」を読むことに。
日本経済新聞出版の書籍とはいえ、「ムック本は読みこむような感じではないだろう」との予想に反してガッツリ読んでしまいました。それだけ興味をそそられる1冊でした。
私が手にしている守屋実氏が監修した『DXスタートアップ革命』は、染谷昌利氏のオンラインサロンを通じて、日本経済新聞出版のご厚意でご献本いただいたものです。
すばらしい本と出会う機会をいただきましたことを、心から感謝申し上げます。
『DXスタートアップ革命』を読んで感じたこと3選

「DXスタートアップ革命」は、「DX」すなわちデジタルトランスフォーメーションについて、延々と解説している書籍ではありません。「DX」について深く知らない状態であれば、巻頭(4~5ページ)及び巻末(114~115ページ)の守屋実氏のコメントから読み始めるのもひとつの方法です。単にデジタル技術を導入するだけではないことがわかるでしょう。
さずがに「デラックス」とは思いませんでしたが...
「DXスタートアップ革命」では、デジタルトランスフォーメーションを実践した方々の事例が多数紹介されています。わかりやすく紹介されているので、DX初心者の私でも好奇心を保った状態で読み進めることができました。
現代にも、志と熱意を持ってスタートアップ(起業・ビジネスの立ち上げ)にチャレンジする人々が確かに存在していて、その方たちの努力の恩恵に少なからず預かっている気がします。
ここからは、私が『DXスタートアップ革命』を読んで感じたことを3つご紹介します。
①DX、それって単なる業務改善では?といった疑問への答えが見つかる

『DXスタートアップ革命』には、DX(デジタルトランスフォーメーション)を活用した成功事例が多数掲載されています。
掲載されている方々の取り組みは、単に「職場にIT技術を導入する」「業務の効率を改善する」といったレベルではありません。業界や顧客との関係において、ビジネスのあり方をこれまでになかった仕組みにガラリと変えてしまうほどのレベルなのです。
私はDXが何かを知りたくて『DXスタートアップ革命』を読み始めました。
専門家の方々がわかりやすく説くDXの成功事例に触れていくなかで、漠然とですがDXがどのようなものなのかを知ることができました。
専門書のような難解な文章はなく、とても読みやすい書籍ですよ!
こういったスタートアップの成功者の事例が満載の書籍は珍しいかもしれません。何度か読み返したくなる1冊です。
②スタートアップした人たちのストーリーも楽しい!

既存のビジネスモデルを変えようと、チャレンジする人たちの話を読むのは非常に楽しい経験でした。
当たり前のことを疑ったり、より良くしたいと望み、実現していくことは簡単にできるものではありません。想い、情熱、技術、ビジョン等が必要です。
DX(デジタルトランスフォーメーション)によるスタートアップの成功談に含まれている、彼らが感じた思いや経験を読ませていただきながら、発見(気付き)や共感、驚きといった感情を抱きました。
成功事例なのでサクセスストーリーではありますが、必ずしも順風満帆といったわけではないのです。
- そこに疑問を抱いたの?
- そんな状況でもあきらめないんだ。
- そのような利用者への配慮が込められているんだ。
といった感想を私は抱きました。ドラマにしたら、きっと面白い作品になることでしょう。
『DXスタートアップ革命』には、DXで成功した人たちの人間性にもちょっぴり触れることができます。私には興味深く、とても面白かったです。
③慣れ親しんだ状態は、いつまでも続くとは限らない

「慣れ親しんだ状態」と言えば聞こえがいいかもしれませんが、業界によっては古くから根付いている仕組みというものが存在します。もちろん、全てを否定するつもりはありませんが、新たに参入する人にとっては不自由さを感じるケースがあることも否定できません。
時としてデジタルトランスフォーメーションは、その業界の方々が当たり前だと思っている仕組みを壊すことになります。それにより恩恵を受ける人と、職を失う、利益が減少するなどのダメージを負う人が生じます。
DX(デジタルトランスフォーメーション)に限らず、これまでもイノベーションにより衰退していった業種・商品は多々あります。ラジカセやポケベル、テレフォンカード、家庭用ビデオカメラ、レコード等々。
個人的に、私はレコード好きなので、今でも現役でレコードを聴いています。
同じように、懐かしいアイテムに魅力や愛着を持っている人もいることでしょう。
例えば、生産者から直接商品を購入する機会って増えていると思いませんか?
これまでは生産者と消費者の間に、卸業者や市場を経由してお店に並んでいたものが、インターネットを使ったサービスにより、生産者から直接購入する機会が増えています。生産者も消費者も卸業者を介せずに取引できる分、金銭的側面や生産者の顔が見えるなどのメリットを感じているのではないでしょうか。
卸業者や市場関係者にしてみればおもしろくないことでしょう。自分の仕事が減ってしまうピンチなのですから。
ある意味、生産者と消費者をインターネット経由で直接つないだサービスも「DX」だと思います。デジタルトランスフォーメーションにより、既存の仕組みがガラッと変革したのです。
大きなお世話かもしれませんが、DXにより便利になってありがたい反面、私は衰退していく会社や事業者のことを心配してしまいます。なぜなら、給料が減額されたり職を失いかねないんですよ!
社会の仕組みが大きく変動したとき、それまで私益を得ていた既存の企業(事業者)は要注意です。おそらく、仕組みが変わってしまってからでは対応が難しいかもしれません。アンテナを張りつつ、常に新しい仕組みに対応できるような体質を作って維持しなければいけないでしょう。
あるいは、生鮮食料品の目利きを活かしたサービスといった、自社(自身)の強みを武器にして活路を見出す方法も考えられます。
DX(デジタルトランスフォーメーション)の成功事例を読みながら、いかに生き残っていくべきかを考えてしまうのでした。
他の業種で起きていることは、近い将来、自分にも影響の波が押し寄せてくるはずですから。
DXスタートアップ革命を読み終えて

『DXスタートアップ革命』の最大の特色は、DX(デジタルトランスフォーメーション)の成功事例にたくさん触れられることです。【Part2~4】
基本的にひとつの事例が4ページ分ずつに読みやすくまとめられています。DXのビフォー・アフターのイラストにより内容の整理ができ、読み手に優しい構成です。
DX(デジタルトランスフォーメーション)に対して無知な状態だった私が、熱意を持って最後まで読み終えられたことに自分でも驚きます。ムック本をしっかりと読んだのは、記憶にある限り初めてのことかもしれません。
起業を志す人ならば、DX(デジタルトランスフォーメーション)の成功事例に触れることで大きな刺激を受けることでしょう。私の場合、単純にDXのことが知りたかっただけでしたが...。それでも、テレビCMを通じて知っていたサービスもあり、DXをより身近に感じることができました。
世の中にいい意味での変革をもたらす人々が、どのような資質をお持ちなのかを知ることができるのも勉強になります。自分とは別次元の方々ですが、物事の捉え方や着眼点、理念といったものに芯があります。「仕方ないよね~」で終わらせない行動力には、頭が下がる思いです。
私も残りの人生で、例え規模は小さくても「チャレンジしたい!」という気持ちを持たせていただきました。あなたもきっと、熱い想いを感じるはずですよ!
まとめ
- DX(デジタルトランスフォーメーション)への理解が深まる。
- DXで成功した人たちの事例が多く掲載されている。
- 技術的な話だけでなく、スタートアップにチャレンジした人たちのドラマを感じられる。