自分の住んでいる土地の魅力は意外に見落としがちなのではないでしょうか。
「もう少し自分が住む東京に関心を持ってみようかな?」と思わせてくれたのが、中川よしこ氏&中川マナブ氏(東京散歩ぽ)の著書「東京の懐かしくて新しい暮らし365日」です。
東京には魅力的なスポットがたくさんあることに気付かせてもらいました。
私が手にしている『東京の懐かしくて新しい暮らし365日』は、著書である中川よしこ氏と中川マナブ氏および株式会社 自由国民社のご厚意でご献本いただいたものです。
すばらしい書籍と出会う機会をいただきましたことを、心から感謝申し上げます。
「東京の懐かしくて新しい暮らし365日」とその魅力

私が上京したのは高校卒業直後の30数年前のこと。九州(熊本、佐世保、鹿児島)や群馬県(前橋)、故郷の函館で過ごした時期がありましたが、ほとんどの期間を東京都江戸川区で過ごしています。故郷で過ごした期間より、東京での生活の方が長くなりました。
函館の友人には「都会ぶって」いるように思われる(誤解される)はずだから、宙ぶらりんな存在なのかもしれません。
江戸川区ば東京都の東側の地域です。江戸川を挟んで千葉県と隣り合っています。個人的には住みやすいエリアです。「東京の懐かしくて新しい暮らし365日」にも、なじみ深い場所がいくつか掲載されていて「どこか嬉しい」気持ちになりました。
私はあまり冒険するタイプではないので、東京に長く住んではいますが限られたスポットしか知りません。おもな行動範囲は、JR総武線では小岩、新小岩、平井、亀戸(かめいど)、錦糸町(きんしちょう)、両国、浅草橋、秋葉原、御茶ノ水、水道橋までといった感じです。それに加えて、JR山手線の上野、御徒町、神田、東京といったところでしょうか。新宿や渋谷にも馴染みは薄いですし、下北沢や神楽坂には行った記憶すらありません。
かろうじて、美術館やコンサートホールに行くために慣れない駅に降りることはあります。
そんな状態ですから、「東京の懐かしくて新しい暮らし365日」を読みながら刺激を受けてばかりでした。刺激といっても強すぎず、「こんなにも楽しみながら暮らせるんだぁ」「うらやましいなぁ」といった優しい刺激です。
「東京の懐かしくて新しい暮らし365日」は、4月1日からスタートして3月31日までの365日を、1日1スポットずつソフトに紹介してくれる書籍です。ページ構成は上段に写真画像が掲載され、下段は著者の優しいコメントになっています。そのため、すいすい読み進められるのですが、所々に「あっ、そうなんだぁ」「なるほど 知らなかった!」と思える情報も散りばめられていました。
サラッと読みやすい文章からは、物事への興味関心の深さも感じられます。そこが楽しさを感じるポイントでした。
東京にお住まいの方に限らず、東京旅行を考えている方にも「東京の懐かしくて新しい暮らし365日」はおすすめですよ。
「東京の懐かしくて新しい暮らし365日」で、自分が行ってみたいと思ったスポット
「東京の懐かしくて新しい暮らし365日」に取り上げられていたスポットで、自分が行ってみたいと思った4ヶ所をご紹介します。
※この記事で掲載している画像は、「東京の懐かしくて新しい暮らし365日」内の写真画像とは異なります。
■神楽坂の石畳(68ページ)
掲載されている写真が魅力的。
何気ない路地なのかもしれませんが、どこか趣を感じます。
近くを車で通ったりはしているはずですが、街を歩いたことはありません。
きっと私が好む魅力的要素がある気がしてなりません。
■江戸切子(98ページ)
切子のグラスといえば日本酒を連想されるかもしれませんが、私はお酒を飲みません。
工芸品としての魅力に惹きつけられます。
鑑賞するのもありですが、大切に使い続けるグラスとしてひとつは欲しい江戸切子です。
■日本銀行本店本館(192ページ)
日本銀行本店本館も行ってみたいと感じたスポットです。
重厚感のある建築物として、とっても魅力的。
歴史や文化に加えて、ロマンも感じられそうな気がします。
■三菱一号館美術館(323ページ)
絵画ファンでありながら、まだ一度も行ったことのない美術館です。
「東京の懐かしくて新しい暮らし365日」に掲載されている写真を観ただけで、建物自体に魅力を感じました。
展示される美術品だけでなく、芸術を体感できそうです。
「東京の懐かしくて新しい暮らし365日」で思い出したエピソード

「東京の懐かしくて新しい暮らし365日」の「短冊に願いを(100ページ)」と「東京のハロウィン(216)ページ」に関連して思い出したのが、故郷(函館)の「七夕まつり」です。
7月7日には、子供たち(小学生までかな)が家々をロウソクをもらいに訪問するのです。もちろん、我が家にも来る子供がいました。「竹に短冊 七夕まつり 」で始まる短い歌を呪文のように早口で歌いながら、ロウソクを集めます。私が小学校の高学年になるころには、ロウソクではなくお菓子をくれるおうちも増えました。
小学校の全校集会では「お金をもらってはいけません」的なアナウンスを聞いた記憶もあります。楽しむというよりも、必死にロウソクを集めていました。もらったロウソクは翌年の訪問してきた子にあげる分にまわして、新たに集めるのですから不思議ですよね。七夕まつりとハロウィンがミックスされたようなイベントでした。
上京した最初の7月7日、私はロウソクを1箱購入して子供たちを待っていたのですが誰も来ません。そのとき初めて、ローカルな風習だったのだと知りました。
今思えば、「何がキッカケでロウソクを集めるようになったのか?」「誰があの歌を作ったのか?」など謎がいっぱいです。
「東京の懐かしくて新しい暮らし365日」をキッカケに、幼き日の思い出がよみがえりました。
まとめ
- 東京といっても意外に広く、名所は数え切れません。そんなときのガイドとしても役立つ書籍です。
- 読んでいると著者の優しさが伝わってくるような文章の効果で心が和みます。
- 何気なく見過ごしていたスポットに歴史やロマンを感じるキッカケにも!